どれだけ、この日、泣いただろう。

苦しくて、息もできないくらい、こう。胸が、ぎゅっ。とするんだ。

「なんで…。」

枯れることを知らない涙を抑えながら。

どうしようもないくらい、好きだった。

上手く言えないくらい、大好きになった。

あい、ありがとう。




















重たい体を起こした、午前3時。

眠ることもできずに、軽い洋服を着て、外に出た。

眩しいくらいの満月と星空。

涼しい風が吹いていた。

携帯電話は、家に置き去りに。

煙草に火を点け、長い階段を下り始めた。

ふぅ。と、ため息交じりの煙を吐き出し、自然に辿り着いた公園。

ブランコに乗り、揺られながら、暗い空を見上げていた。

「あい。」

呟いては、思い出が頭をグルグル回る。

早めの煙草に、また、火を点けた。




















いや、驚いた。

「ゆうくん?」

だって、

「ん?」

そこに、あいがいたから。

「え?」

慌てて、降りたブランコが、まだ、ゆらゆら揺れていた。

「…よう。ぐ、偶然?」

連絡してないし、

「なんとなく。」

不思議な感じがした。

「…以心伝心だな。」

それは、僕たちの不器用な恋の物語り。


~終~