「おい、なんか屋櫻すげえ手加減なしに相手側にボール当ててるだろ…。」

「あのボールを叩く威力半端ねえよ。」

バンとボールが弾け飛ぶ音のが半端ない威力巻感を出して体育館に響く。優はポーカーフェイスを崩さずにボールを取っては相手陣の有力な生徒に当てて退場させる中心的な役割を担っていた。担っているが、無表情なくせして怒りを静かに滲ませながらどんどん相手側にボールを投げ打つ。

「ちょ、ちょい!!優!!やり過ぎだろ!!」

「あ、悪い…………。」

一クラスがざっと30人ぐらいいる為、一クラスの中で二チームに分けられて。4つのグループで対戦しながら片方は休むシフトローテーションの授業の合間。優と直元のチームはシフトで休み時間に入った。体育館のステージに座って優はペットボトルの水を口に流し込んでいた。先程、言われた事に相当応えてるんだろうな……直元は思った。


普段なら、冷静で余り人と関わらない様にしている親友の珍しい一場面を見て。直元は始め友として喜ぶできだろうと思ったが…。次の瞬間に色々と起きた事でそう喜べない状況となってしまった。

「おーい、優さっきの事で申し訳ねえけど」

「ん…??」

「なんで、その…さっき振られたんだ??」

「いや、ナオ俺は陽依とそんな関係じゃないから…」

「んなの分かってるわ!!ああ、もう!!なんで嫌われたんだよ!」

「それは、俺が知りたい!!」

「お前知らないの?!」

「五年も会ってないんだよ!」

優はシフトの交代で他のチームのドッジボールの試合を見ながら溜息を付く。直元はなんと無くは察しは付いていた。こいつは昔一緒に遊んでいた幼馴染の少女とある事故がきっかけで会えなくなって。今日、突然再会して、コイツが突然抱き締めて。まああの子が拒絶するのも無理もねえよな。

「そもそも優はなんで彼女に気に掛けてんだ…??」

「え………??なんで」

「悪い意味で言わねえけど、お前を拒絶したんだろう??」

「ああ、そうだな……。けど俺は陽依と約束してるんだ。」

「約束??」

「それをどうしても一緒に果たしたいんだ。アイツじゃなきゃダメなんだ。」