「優、なんか食べろよ。」

「……………。」

「首横に振ってないでマジでなんか食べろよ。」

優に対して、下心丸出しの積極的に話しかけてくる同級生の宮良が去って行くと優は撃つ部sになって腕で顔を隠していた。隣に座っていた直元がおいてくれたおにぎりさえ無くなってしまい食べ物なんて無くなっていた。優は寝ると言う体制に入ってるけどお腹の空腹感が数秒事に酷くなって行くだけだった。

お腹空いた、気持ち悪い、苦しい

この三単語だけが優の脳内を再生して、回り続けてる。寝ようとしても人間が最も耐え辛い欲には流石の優でも我慢の限度に達していたらしい。顔をちょっと直元の方に向けると食べてかけていたパンを見つめる。

「優、顔色悪いぞ。なんか貰って来いよ。」

「悪い、ちょっと気持ち悪い……。」

「は?!早く言えよ!」

気持ち悪いと小さく呟いた優の顔をあげさせて、顔色悪い彼を見て少しばかり直元は焦った。保健室に連れて行くべきか連れて行かないべきか。判断を決められずに直元は急いでぐったりとうつ伏せになった優の片腕を自分の肩に引っ掛けて、優を支えて教室を出る。

「保健室に行くぞ。」

「………………………ッ。」

「吐くなよ、保健委員だってまだいないだろうし…。」

廊下を出て、男一人分の体重を受け止めながら支えるのに困難があった。少なくとも前より顔色が段々青くなって辛そうにする優の症状が悪化してる様に見えてこのペースじゃ保健室まで持たない。どうすれば良いんだ、直元はお手上げだと眉間に皺を寄せていると。

「あれ、直元じゃん。どしたの??」

ふと、透明感のある声が直元の真後ろから聞こえた。振り返れば隣クラスの由紀と陽依が手に今日発売していた筈のバタークッキーが入ったビニール袋を持っていた。購買からの帰りだと直ぐに分かったがそれ所じゃない。

「悪い、優が気持ち悪いって言ってるから保健室まで。」

「え、優大丈夫なの?!」

陽依は気まずそうに眼を逸らしてたが直元の一言で先程の態度から一転して取り乱していた。白い細い首に提げていた紐に通した鍵を取り陽依は真剣な表情で直元を見て

「ごめんね由紀ちゃん、直元君を手伝って!優を保健室まで連れてって。」

「うん、分かった。」

「お、おう…。」

三人はぐったりとした優を支えて、保健室に向かった早く歩いて行った。