「…………………………」

「なーに、机に突っ伏してんだよこのモテ男がッ!!」

バシッ、質量のある叩かれた音が優の頭上を通ってそれ程でも痛くない叩くが降りる。黒い髪が茶色い板の表面とコントラストして、優はゆっくり頭をあげる。目の前に立ってる直元は半分ニヤけた表情をしていた顔を先程頭を叩いたであろう教科書を持っていた。

「お前らしくねえよ、何かあったのか??」

「うるさい、邪魔だナオアホ。」

「アホとはなんだ!!アホとは!」

「だから、うるさい。」

バコッと机の中に入れていた固いアルミ製の缶ケースを取り出して直元の額に投げ当てる。痛い痛いと大袈裟な悲鳴あげてる直元の事を放っておいて優は顔半分を組む腕から出して廊下を見る。先日の事で、優は幼馴染の陽依から拒絶されたのにショックを受けていた。

「ったく、授業とか集中できる様になんかたべろよ。」

「食欲がない………。」

「アホか、ほらっ」

直元は机の横に付いていた鞄掛けに掛けていたコンビニ袋からお茶の入ったペットボトルとおにぎりを取り出しボンと優の机に置く。定番の鮭おにぎりが入ったプラスチックの袋を見て優はそっと手を伸ばす。

「あー!屋櫻君それだけじゃ足りないよおー!」

「お、宮良じゃん。」

バッとおにぎりが宙に吸い込まれたかの様に消えると次にはウエーブが掛かった桃キャラメル色のハーフアップの髪型の女子宮良桃香の手にチョコンと乗っていた。フンと鼻を鳴らしてわ宮良は背に隠していた食べかけのコロッケパンの入った袋を差し出す。

「コロッケパンの方が、美味しいよ!!屋櫻君にあげるよ!!」

「いやいや、食べかけのパンなんかいらないだろ??」

ふと、機嫌の良くない優が茫然とした表情でで宮良を見ているのに直元はマズイと悟った。このままじゃ恐らく宮良が叶って欲しい事になってしまうだろうからと思って口止めを入れた。優はパンを胸元に押し付けられ。宮良はニコニコとしながら自分の椅子に座って優の方に目をくぎ付けにしている。

「ほらほら、食べないと屋櫻君!!」

「あ、悪い………俺甘いのちょっと食べたい気分なんだ。」

「え、じゃ、じゃあ私購買で買って来るね!!今日はバタークッキーが売ってる筈だから!」

まだ、諦めずに宮良はスキップしながら片手にハート型のがま口財布を手に購買がある食堂に行った。