白いお皿に乗ってる最後のミートボールを木製フォークに刺して由紀は口に運ばせる。見ている方は食べてる肉団子じゃなく前に座ってる陽依にだった。顔に暗い影を落として陽依は外を頬杖付いて眺めていた。

「何、どーしたの?」

「え?」

「え、じゃないわよ!!暗い顔してるわよ」

「あ、ごめん…………。」

無意識に暗い影を落としていたのに気づくと陽依は笑顔を繕って誤魔化した。陽依はあの体育での混合ドッジボール大会以来外をボーと眺める様になった。暇な時なら、本でも読んでそうな陽依は外を眺めるてる日々はかれこら一週間と二日は続いてる。ミートボールだっだ肉団子を噛み砕いて飲み込んだ由紀はフォークを白いお皿が乗ったトレーに乗せて手合せして「ご馳走様」と呟いた。

「陽依」

「ん?」

「トレー戻すのに食堂まで行かなきゃいけないから、一緒に来て」

「あ、うん!」

ガタッと席から立ち上がった陽依は少し背丈が高い由紀の後ろに付いて行って教室から廊下に移動する。前までは保健委員として陽依が先生から預かった合鍵を可愛らしいピンク色の紐を通して首から提げている。ちょっと長さは微妙だが。

「そういえば陽依その紐どうしたの??」

「え?あ…もらったの」

「誰から??」

「…………ゆ、優から。」

「へー良かったじゃん!!」

「うん。」

もらったのに、嬉しくなさそうだなっと由紀は思った。以前に家庭科の授業で教わった簡単な片抜きクッキーを焼いて由紀は陽依にあげた事があった。貰った時に判り易かった表情だったので物凄く嬉しそうに食べていたのを由紀は覚えていた。食堂に着いて由紀は返却口にトレーを戻して、購買の方にスタスタと歩いて行った。

「あ、由紀ちゃん。」

「陽依、ちょっと待ってて―。」

由紀は購買の方に行き、数分経った時には由紀は手にいちごミルクの小型牛乳パック。と赤いリボンで飾られた透明な袋に入った、焼き立ての香ばしいバターの匂いを漂わせる大きな黄色い円盤が幾つか見える。バタークッキーだった。

「おばさんが取っといてくれてた」

「クッキーだ…」

「即買いされちゃうレアなおやつなんだから、これ食べて元気だしなよ!」

「由紀ちゃん…うう、ありがとうう!!」

「わ、コラ!泣かないの!!も~」