冬半ばはやっぱり寒い、寒過ぎると思った。それでも冬に見られる真っ白はその景色はやっぱり綺麗だった。その日も、君と遊びに行った最後の冬休みは一段と寒気がしてた。冷たさで赤く腫れ上がっちゃった手をギュッと握っててくれてた君を絶対に忘れない。

『おーい、陽依!!早く来いよ!』

『ちょ、優ちゃん早いよ!!』

『お前が鈍間なだけだろー!』

『わあー、優ちゃんのバーカ!』

嗚呼、あの日もこうやって昔と変わらない他愛ない喧嘩して。本気じゃないと分かってたからお互い沢山の悪口を言い降らしまくったよね。私がバーカと言えば君はアホーと言い返して来て、私がビビりと言ったら君はおたんこなすとかって言って来てキレた私からの痛い雪玉を顔面に直球なんかもしたよね。

ねえ、あの日の事は私の所為でもあったね。私が探しに夜に森に入らなければ君はあの大怪我を負わずに済んだのに。私の所為で君を傷付けてしまった。覚えてるよ、あの時に飛び散った月明かりで見えた真っ赤な飛翔した鉄の香りを漂わせるその液体は君の背中から飛び散ったものだったね。救急車に運ばれて、呆然とした私の手をギュッといつもみたいに握ってくれて大丈夫だって言ってくれてもやっぱり自分が許せないよ



ごめんね…だから決めたよ優
大好きな君をもう傷つけたくないから
もう二度と一緒に『遊ばない』よ



『陽依ーーー!』

「ごめんね優…大好きだよ」