真新しい制服に身を包んで、新しい学校へと向かう。

なんだか周りがみんな幸せそうで、こっちまで優しい気持ちになる。

だから私は春が好き。
なんとも言えない嬉しさを、春は運んで来てくれる。
新しいことは怖いけど、その分楽しくて面白い。

今日は高校の入学式。

さぁ、新しい3年間がこの今の一瞬から始まるんだ。

どんな3年間になるか、全く分からないけど、とりあえず、全部のことを楽しもう。

そう心に決めて、私は学校に向かった。






『まなみぃーーー!』
私の元に駆け寄って来たのは、親友の美奈子だった。

美奈子はとっても美人で大人っぽい。
でもたまに羽目を外すとすごく子どもっぽくなってかわいらしい。

そんな面が女子からも男子からも好かれて、なんて言うか、愛されキャラ。


クラス分けは、別にそんなに緊張してなかったけど、美奈子と一緒でひとまず安心。

だいたい私はクラスでひとりぼっちって言うのになったことがない。いつも仲の良い子と同じクラスで、なんとなく日々を過ごしている。


今回も、あまり何の問題もなしにいきそうだ。


担任は若い男の先生だった。数学の先生なのに、まるで体育の先生みたいにはきはきしてて、なんだかこっちがちょっとひいちゃうくらいだった。でも、良い人なんだなーと正直に思えた。

クラスも全体的に面白い子が多くて、なんだか楽しくなりそうな予感だった。


正直、高校生にはあまりなりたくなくて、ちょっと気が引けていたところもあったけど、いざ高校生になるとやるしかないなっていう気分に自然となった。








ーーーー私の好きな春の風がまたひとつすぐそばでそっと吹いた、そんな1日だった。