それから、しばらく経ち。 貴也は長屋の中を這いずり回れるようになっていた。 そして、それを陽ははしゃぎながら毎日見ていた。 「じゃあ、お陽ぃ。今日も行って来るから、よろしく頼むよ」 「はい!行ってらっしゃい、お母ちゃん」 陽は笑顔で送り出す。 日中の貴也の世話は、自然と陽の仕事になっていた。