「ほんまかっ!?お母ちゃんがそう言うとったんか?」 「ちゃう、お医者さんが言うてはった!うちな、お姉ちゃんになるねんて!!」 陽は、とにかく下の子が出来るということが嬉しいらしい。 現実を見られる太一と父は、嬉しいながらも、少し気分は暗かった。 それに気付いた陽は、無邪気に問うた。 「お兄ちゃんとお父ちゃんは嬉しくないん?」 慌てて父が否定する。 「いや、嬉しいよ。ただなぁ…」 「何?何なん?」 「嬉しいけど…なぁ。 うちは裕福な訳ではないから、今まで以上に貧乏になってまうなぁ」