ひばりの話を聞くところによると。
電車の扉が閉まりかけたのを見たひばりは、とっさに本条君を電車から押し出したらしい。
「つぐみを連れ帰って来て!!」と。
本条君はもちろん、すっごくびっくりしたんだけれど、何とか私を掴んで電車の中に引き入れてくれたんだって。
それを聞いて、再度私は本条君にお礼を言った。
私がぼけていたせいで、彼の身まで危険(遅刻とか、ドアに挟まれるだとか)にさらしてしまったことが、申し訳なかったの。
普通なら怒っても仕方のないことだけれど、本条君はあっさり許してくれた。
「満員電車に乗る時は、周りに知り合いを置いておくこと」という条件付きでーー


