小児病棟

「へー、ここ、地下もあったんだね」

裕二が、正哉のほうを見た。

「よし！　だったらよー、地下行ってみようぜ！」

悟は、言うやいなや、すかさず地下一階のボタンを押した。エレベーターはドアを閉めると、ガクンと一旦揺れ、そのあとヒューンという音とともに、ゆっくりと下へ降りていった。


「地下って……一体、なにがあるんだろうね……」

ポツリと慶一がつぶやく。その横顔をうかがう裕二の表情も、若干の緊張を隠せない。

――なんか……すんごい嫌な予感がする……
正哉は、そんな不安にかられていた。

やがてエレベーターは地下に到着。ガクンという小さな衝撃のあと、ドアがゆっくりと開いた。