小児病棟

「あれ? これ、三階までしかないじゃん……」

最初に乗り込み、ボタンの前に陣取った悟が言った。確かに操作盤のボタンは三階までしかなく、八階には行けそうもない。

「これ、上に行けないみたいだね……どうする?」

正哉はそう言って悟を見た。

「そうだなあ……」

頭の後ろに手を組んで、悟はしばし考えていたが、再び操作盤に目をやると

「お、でも地下まであるぞ!」

と言って、ボタンを指差した。悟の指の先には、地下は二階までのボタンがあった。