小児病棟

正哉は、しどろもどろになりながらも

「……ちょ、ちょっと二ノ宮先生に聞きたいことがあって……」

と言って、上目使いで婦長を見た。正哉の横で、悟はうんうんと首を上下させうなづいた。裕二も慶一も、黙ってうなづく。婦長は、そんな四人の様子を見つつ

「ふうん……二ノ宮先生、今日はいないわよ? だから病棟に帰りなさい」

と、諭すように言った。

「そ…そうなんだ……じゃあ、帰ります」

正哉は、そんな婦長の言葉を受け、わかったフリをして振り返り、病棟のほうへと歩き出した。悟達もそれに続き、振り返って歩き出した。

「走っちゃだめよ」

婦長は、そう言い残し本館のほうへと歩いていった。