小児病棟

裕二の帰りを待つ間、悟は手に持っていたノートを広げ、床に置いた。

「こっちはこうだから……こっちのほうがいいかな……」

そして、ノートに書いた地図を見直しながら、ルートの確認にいそしんでいた。

――こいつ……楽しいそうにしやがって……

正哉は、そんな悟を尻目に、憂鬱な気持ちを懸命に整理していた。