小児病棟

「あんな顔、最近滅多に見せなかったのに……」

とまどう母に、看護婦さんは

「きっと、みんなとうまくやっていきますよ、息子さん……」

と、太鼓判を押した。

「ぜひ、よろしくお願いします!」

と、看護婦さんに一礼し、再び渡り廊下を見る母。その目は相変わらず心配そうではある。しかし、笑顔で遊んでいる息子の姿を見て、ほんの少しではあるが心のつかえが緩んだように感じていた。

母親は、走る息子の姿を、その網膜に焼き付けているがのごとく、ただただじっと目で追うのだった。