小児病棟

「そのお薬は、出来上がるまでにとてもいろいろな実験を経て完成するんだ。人間が使って、はたして大丈夫なのか、それを研究してからでないと薬としては使えない。それには、まずマウスで実験するしかない。このマウス達は、薬を作るうえで欠かせないものなんだ」

先生は、噛んで含めるように子供たちを見回しながら言った。

「でも……」

正哉は、ちょっと首をかしげつつ、口を開いた。

「でも? なんだい?」
 
「でも、殺すことないんじゃないですか?」

すると、二ノ宮先生は正哉のほうをしっかと見て言った。