朝の六時。

病室の天井に埋め込まれているスピーカーから、起床の時間を告げるチャイムが流れ出すと

「おはようー!」

ほどなくして看護婦さんが病室のドアを開けてまわる。

これが、毎日の光景だ。


「もう朝かあ……」


正哉(まさや)は眠い目をこすりながら一度起き上がったものの、すぐに力尽きて再びベッドの上にうつぶせに倒れこんだ。