「いつ?」

「九月まで向こうで、十月から東京戻ってくる予定。」


話しながら同期の村木が空けてくれたスペースに座る。

そこで隣になったのが、麻衣子だ。


「はじめまして。」


目が合った途端、彼女は笑顔で挨拶をしてくれた。

弾けるようなその笑顔を見た瞬間に、今思えばもう恋をしていたのだろう。

それに、彼女の容姿はあまりにも俺の好み過ぎた。さらさらな髪のショートボブ、まあるい瞳と少し低い鼻。座敷なのに、背筋を伸ばした姿勢の良さにも惹かれた。


「てか拓馬さ、おまえそんなに訛ってたっけ?」

「しゃーないやろ。こっちにいる間は関西弁抜けてきてんけど、毎日コテコテのおっさんの関西弁聞いとったら戻るわ。」