まだ半分眠りの中にいる模様の顔と声。

一旦立ち上がってカーテンを開け、再びベッド脇に戻る。眩しさに顔を歪ませた拓馬は子どもみたい。


「起きてー!」

「うるさいなあ。」

「うるさいじゃないよ。起きなさい!」

「んー、自分じゃ起きれん。起こして。」


寝惚け眼で両腕を天井に向かって伸ばす拓馬。腕を引っ張れということらしい。

可愛く甘えられて、昨夜の憂鬱が吹っ飛んでゆく。


「もーう。はいっ、起きて!」


伸ばされた手を掴んで引っ張り上げる。

一度ベッドから浮いた上半身。かと思ったら逆に手を引かれて、その反動で拓馬の上に乗っかるように抱きしめられた。