化粧水や乳液をつけたりボディークリームを塗り込んだり髪を乾かしたり、のんびりと湯上がりを過ごしている間に拓馬がお風呂から上がってくる音が聞こえた。

今夜も何かと理由をつけて先に部屋に籠られてしまうのだろうか。

男の人って難しい。愛情は変わらないのにそういうことだけしたくなくなるの?巷でよく聞く、恋愛感情から家族愛に変わった、とかいうやつ?家族ではないけれど。


「よっしゃ、間に合ったー。」


Tシャツにスウェット姿の拓馬がタオルで髪を拭きながらリビングにやって来た。私がいるソファーには座らず、テーブルの前のクッションに座った。


「どしたん?顔色悪いけど、具合悪いん?」


リモコン片手に問いかけられて、私は黙ったまま膝を抱えた。


本当はぎゅっとしてほしい。もっとふれてほしい。変わらないでいてほしい。

だって私はこんなにすきなの。