｢おはようございます。城西さん｣
｢おはようございます。委員長｣

彼女は委員長の山中愛実(やまなかあみ)

サラサラ〜っとした美人さんなんだけど

焔への妬みは酷すぎる。


｢後でトイレに来てもらえるかしら？｣

｢あ、うん｣

トイレに行く。


｢城西さん……ホントっなんなんですか？私のほうが可愛いのに。どうして！焔くんは私の方を見てくれないの？｣

｢焔に嫌われてるのそういうところじゃないんですか？｣


｢も、もういいわよ！｣

するとドタバタとトイレをでていく。


ハァ……と溜息をつく。

｢あーいたわよ！天音！｣

｢ホントですか大丈夫海砂？｣

彩永と天音がきてくれた。

｢馬鹿らしかったよ｣

ははっと言って笑うと

｢心配したんですよ〜！｣

天音……

｢さっさといくわよ！HR始まっちゃう｣

彩永……

教室に行くと委員長が泣いていた。

｢城西さんが……私の焔に近づかないでって…ひくっ｣

私をみる批判の目。

痛いとかそういうのじゃない。

冷めている。冷たいんだ。


｢委員長…俺さっきトイレの前通ったからさ…録音しといたけど？｣

ポチと携帯のボイスレコーダーのボタンをおす。

すると

先程の会話が三回ほど繰り返される


｢委員長さぁ…しつこいんだよね。俺しつこい奴嫌いだから。悪いけど俺の前に近寄らないで｣

うわぁ…女の妬みってすげぇな

とか男子の声があがる。

女子も

流石にやりすぎでしょ。妬みすぎ

とか声があがる。


そんなことよりも私にとっては焔が助けてくれたことがうれしかった。

｢焔…ありがとう｣

｢別にたまたまだし｣

また作り笑顔。

昔もこんなことあったなぁなんて思いつつ。

そんな作り笑顔にもやられちゃう私はよっぽど焔に依存しているんだなぁ…