朝は彼氏のモーニングコール。

そんな私の夢。

それは夢であり、現実になんかならない。

ピピピピピピ
と無機質な音が部屋に響く

私の名前は、城西海砂(じょうせいみさ)


部屋の窓を開けると小鳥のさえずり……

なんて訳もない。隣の家から甘ったるい声がきこえてくる

「もう!焔はキス以上のことはしてくれないんだからぁ!」

「悪ぃな。俺は好きな女にしかそういうことはしないの」

その焔…と呼ばれているのが私の幼馴染み

暁焔(あかつきほむら)

焔また女の子連れ込んでるんだ…

まぁ私のことなんて眼中にないんだろうけど

そう私は小さい頃から焔がすきだった。


でも焔はこの気持ちに気づいてくれない。

高校も同じ。

毎日毎日迎に来る。

迎に来るなら女の子連れ込んだりしないでよ。なんて思ったこともあるけど

もう考えないことにした


「おはようございます。もう海砂起きてます?」

ほら来た。

「海砂ー!焔くんきたわよー!」

お母さんの大きな声が響く。

「わかってるよ」

と返事をしてドタバタと階段を降りていく。


「海砂もう少し女の子らしい歩き方できないのかよ?」

と言ってははっと笑う焔。

その笑顔も作り笑いでしょ?だって君は笑えないんだもんね……私のせいで。

焔が崖から落ちた私を助けようとしてくれた。

小さな小さな焔の力じゃ助からなかった。

一ヶ月だけ私は記憶喪失になってしまった。

その時から君は本当の笑顔を誰にも見せなくなった。


大好きだったのに。あの笑顔が


「海砂何やってんのいくよ?」

「ごめん。行ってきます」

「行ってらっしゃい」

また今日も私は戦場にいきます。




________女子と言う名の。