ことり公園。

 その後なんとかたかひろを落ち着かせ、丁度教室に帰ってきた鈴原たちにたかひろと大事な話をしてくるとかなんとか言って、屋上までひっぱって来た。


 立入禁止の貼り紙なんて無視して、鍵の壊された鉄製の扉を開ける。



「……なんだよ。」


 夏のぬるい風を浴びながら、少し進むと、たかひろは不貞腐れながら、俺の手を振り払った。


 唇を尖らせて拗ねたような表情をしているこいつは、まるで小学生のようだ。


「……まあその、弁当のことは、置いといて、さ。俺別に、鈴原と付き合ってるとか、そういうんじゃないよ。」


 言っても、たかひろはまだ俺を睨みつけている。


「……そうだったと、してもさ。なんか付き合う寸前のリア充的な雰囲気出てんじゃん?

 鈴原のタイプだって、知的で静かな人って、まるっきりお前みたいな感じだし。」


「そんなやつ、俺以外にも居るだろ。それに、鈴原、好きな奴居るよ。」

「だからそれっ、お前のことなんじゃねーの?」

「……違うよ。たかひろ、もし誰かが、鈴原のこと、めちゃくちゃに悪く言ってたら、どうする?」


 たかひろは、はあ?と、顔を顰めるも、顎に手を当て、考えるような素振りを見せる。


「そんなやつ、蹴飛ばすけどな。」

「……自分の好きな人、悪く言われたら、誰だってムカつくだろ。鈴原の前の反応も、そういうことだよ。」


 鈍いたかひろは、俺の言葉に首を傾げて、理解出来ていない様子だった。