***
夜ふかしをしたせいで、俺が目を覚ましたのは、いつも家を出る時間だった。
慌てて準備をしながら、浮かんだのは鈴原のことだった。
……電車、ひとりで大丈夫かな。
もしかしたら、また……。
そんな考えが浮かんで、俺はすぐに首を横に振った。
その後直ぐに全力疾走で駅へと向かうと、いつもと同じ車両の乗り場の前に、見慣れた姿を見つけた。
毎日乗っている電車は、10分ほど前に行ってしまっているのに。
ずいぶんと暑くなってきている上に走ったせいで、汗だくだった俺は、シャツでパタパタと前を扇ぎながら息を整え、その後ろ姿に呼びかけた。
「……鈴原?」
「あ、……小鳥遊くん、おはよう。よかった。来ないかと思って、もう次、乗ろうとしてた。」
「おはよう、……待ってたの?」
「うん、……待ってた。」
少しの照れ笑いをする鈴原から目を逸らす。
約束をしていた訳でもなかったのに、たとえ鈴原が絵鳩こうたのことを好きだったにしても、こんな些細なことで喜んでいる自分がいることに、もう嘘はつけなかった。
「勉強、……してたの?」
「うん、……まあ。」
答えながら足元に目を向けると、鈴原が持っている紙袋が目に入る。
持とうか、と言おうとしたところで、ホームに電車が到着して、俺は言葉を飲み込んだ。
今日、……何かあったっけ。
夜ふかしをしたせいで、俺が目を覚ましたのは、いつも家を出る時間だった。
慌てて準備をしながら、浮かんだのは鈴原のことだった。
……電車、ひとりで大丈夫かな。
もしかしたら、また……。
そんな考えが浮かんで、俺はすぐに首を横に振った。
その後直ぐに全力疾走で駅へと向かうと、いつもと同じ車両の乗り場の前に、見慣れた姿を見つけた。
毎日乗っている電車は、10分ほど前に行ってしまっているのに。
ずいぶんと暑くなってきている上に走ったせいで、汗だくだった俺は、シャツでパタパタと前を扇ぎながら息を整え、その後ろ姿に呼びかけた。
「……鈴原?」
「あ、……小鳥遊くん、おはよう。よかった。来ないかと思って、もう次、乗ろうとしてた。」
「おはよう、……待ってたの?」
「うん、……待ってた。」
少しの照れ笑いをする鈴原から目を逸らす。
約束をしていた訳でもなかったのに、たとえ鈴原が絵鳩こうたのことを好きだったにしても、こんな些細なことで喜んでいる自分がいることに、もう嘘はつけなかった。
「勉強、……してたの?」
「うん、……まあ。」
答えながら足元に目を向けると、鈴原が持っている紙袋が目に入る。
持とうか、と言おうとしたところで、ホームに電車が到着して、俺は言葉を飲み込んだ。
今日、……何かあったっけ。

