ことり公園。

***


 夜ふかしをしたせいで、俺が目を覚ましたのは、いつも家を出る時間だった。


 慌てて準備をしながら、浮かんだのは鈴原のことだった。


 ……電車、ひとりで大丈夫かな。


 もしかしたら、また……。


 そんな考えが浮かんで、俺はすぐに首を横に振った。



 その後直ぐに全力疾走で駅へと向かうと、いつもと同じ車両の乗り場の前に、見慣れた姿を見つけた。


 毎日乗っている電車は、10分ほど前に行ってしまっているのに。


 ずいぶんと暑くなってきている上に走ったせいで、汗だくだった俺は、シャツでパタパタと前を扇ぎながら息を整え、その後ろ姿に呼びかけた。


「……鈴原?」

「あ、……小鳥遊くん、おはよう。よかった。来ないかと思って、もう次、乗ろうとしてた。」

「おはよう、……待ってたの?」

「うん、……待ってた。」


 少しの照れ笑いをする鈴原から目を逸らす。


 約束をしていた訳でもなかったのに、たとえ鈴原が絵鳩こうたのことを好きだったにしても、こんな些細なことで喜んでいる自分がいることに、もう嘘はつけなかった。


「勉強、……してたの?」

「うん、……まあ。」


 答えながら足元に目を向けると、鈴原が持っている紙袋が目に入る。


 持とうか、と言おうとしたところで、ホームに電車が到着して、俺は言葉を飲み込んだ。


 今日、……何かあったっけ。