ことり公園。

 父は突然にっ、と歯を見せて笑った。


「気に入った!!」


 そして、鈴原の肩をバシバシと軽く叩きながら、ベラベラ喋り始めた。


「いやぁー、俺ね、我が息子ながら心配してたんだよ。全然女っ気がないもんだから本当はホモなんじゃないかって。」


 先程とは打って変わって、いきなり能弁になった父に、鈴原は圧倒されて苦笑している。


「は、はぁ……。」

「うーん、にしてもこんな可愛い子を捕まえてくるとは、さすが俺の息子!」

「あ、ありがとうございます……。」

「えーと、で?キミたちはぶっちゃけどこまでいってるのかな?」

「え……?」


 そこで鈴原が硬直したのを見兼ねて、俺はため息をついて、割って入った。


「……あのさ、別に俺と鈴原、そういうんじゃないから。」


 すると父は数回瞬いて、呆れたように俺を見つめた。


「……お前最近流行りのソウショクケイダンシってやつ?情けないなぁ、こういうのは男から、」

「違う。……鈴原、好きな奴いんだろ。」


 突然話を振られた鈴原が、ハッとしたように目を見開き、何故か少し悲しげに頷いた。


「あ、うん……。」

「……まあ、そういこと。」

「ふーん?……なんだ。」


 父は少し不服そうに唇をとがらせ、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルタブを開けた。


 そして調理台の上のすっかり冷めきったココアを見て、俺に向かって気色の悪いウインクをしながら言った。


「つばさ、お前もシャワー、浴びてこい。俺はことりちゃんと、秘密のお話するからさ。」