ことり公園。

「……別に、そんなに気にすることじゃないよ。」


 軽く微笑んで鈴原の頭にタオルを被せると、鈴原は少しほっとした様子を見せた。


 そしてそのタオルで髪や身体を拭きながら、彼女はくしゃみを連発した。


「シャワーも浴びる?風邪、ひかれたら困るし。」

「……あ、とじゃあ、お言葉に甘えて。」


 それから鈴原に俺の服を渡し、脱衣所に促して、俺もジャージに着替えた。


 そして冷えた体を温めようと、キッチンでココアを淹れていると、突然玄関の扉が開いた。



「つーばさー、寿司買ってきたぞー!!」


 玄関から大きな声が届いて、俺はつい焦って手を滑らせて、鍋に入っていた熱湯が自分の手にかかってしまった。


「熱っ。」


 柄にも無く奇声を発して急いで水で手を冷やしていると、ドカドカと廊下を歩く大袈裟な足音が近づいてきた。


「……ていうかお前、玄関の靴!女連れ込んでるな?シャワー使用中みたいだけど、何しようとしてた?」


 そして、俺のいるキッチンの前に腕を組みながら立ちはだかったのは、正直認めたくはないが、紛れもない、……俺の父親だった。


 父の口調そのものは怒っているようにも聞こえたが、表情は全く反対で、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべていた。