大学生になって二年目の春がやってきた。


うちの大学ではイケメンランキングっていうのがあって、毎年女子の投票で春に行われる。


「みんな美形だなあ.....」


私はざわめく会場内のステージを見ながら言った。


小さく呟いたつもりだったのに隣にいた中学校からの親友、愛理がびっくりした顔でこっちを見た。


「...怜那当たり前でしょうが、イケメンランキングだよ?!美形じゃなきゃステージ立てないっての!!」


「いやあ、それはわかってるんだけどさ、やっぱ美形だなあって思って. . .私も美人になりたいなあ. . ..」


私は自分のほっぺをつまみながら言った。


彼氏とかは当然居たことくらいはあるけど、はあ。


異性にあんな美形の人が居たらもう憎くなってくるよ.....


すると愛理と周りの人たちが黄色い悲鳴を上げた。

ステージを見てみると1位の人が発表されたらしい。

愛理が私の腕をバシバシ叩いてくる。


「痛いって...愛理さーん?聞いてますかー?」



もう駄目だ完全にステージしか見てない。


早く静かな場所に行きたい。

そうだ、図書館行こう。うちの大学には小さいけど図書館がある。

「愛理?図書館いくね?」

愛理は聞いてないだろうけど念のため言っておいた。



「んー...やっぱりここは静かだなー....」

イケメンランキングをやってるから図書館には人がほとんど居なかった。

そばにあった机の椅子に腰かけると隣に先客が居た。


「綺麗な黒髪だなあ...猫みたい!サラサラだあ....」


私はついその人の髪の毛を撫でてしまった。


「ん....何...?何で頭撫でられてるの俺....?」

すると男の人が起きてこっちを見ていった。


「あああ、ごめんなさいえっとあの、綺麗黒髪だなあって思ってつい. . .」