ブラウニーと唐辛子

どうやら、接客を終えたばかりのようだ。
「はい。」
「どうぞ、此方へ。」
学校に居るよりも酷く冷淡に聞こえるのは仕事だからか、それとも怒っているのか。
わからないけど……
「注文は如何なさいますか。お嬢様。」
……クラスメイトにお嬢様と呼ばれるとは思わなかった。
「あいのはねー、ここあー!!」
愛乃はにこにこと笑っている。
この能天気さが羨ましい。
「私は、オレンジジュース。」
「畏まりました。」
一礼をして、吉野は奥へ行ってしまった。