アレンはふいっとそっぽを向いてしまう。
それを見てレイは涙目になってしまった。
「アレ…」
「でも確かに」
アレンがレイを遮り、しゃべりだす。
「…死んだ人はもう絶対帰ってこない。
レイの兄ちゃんが死んだりしてたらもう探しても意味ないよな」
「…!!何よ!!お兄ちゃんが死んじゃったみたいな言い方して!!
どうせアレンになんか私の気持ちはわかんないのよ!!」
アレンの言葉に、レイは涙目のまま怒った。
「…………。」
アレンは黙って答えないが、微かに…何故か自嘲気味な笑みを口元に浮かべる。
「…アレン、レイの気持ち考えてるよ」
イルが口を出した。
「過去や今じゃなくて、先のレイの気持ち、考えてると思う」
レイは黙り込んだ。
「…どうすんだぁ?レイ…。」
「………私…」
ドォン!!!
「!!また揺れが…」
「きゃあーん、ギルクぅー!!」
イルはどさくさまぎれにギルクに飛びつく。
「………。」
一方、アレンは目を驚きに見開いて、一点だけを見つめていた。
「……あ…」
三人も気が付いた。
台座の像が
………………動いた。
「%&@△◎●#※!!!???」
イルがわけのわからない悲鳴をあげた。
動き出した像は四人に向かって来る。
「…像が…。」
レイは驚いて固まっていた。
そのレイに像は突っ込む。
「…レイ!!!!」
アレン達が叫ぶ前に、誰かの声がした。
「………え…??」
そのまま像はレイの上にのしかかった。
ズズゥン…と地面が揺れる。
「レイ!!!!」
アレンが叫んだ。すると…
「レイなら大丈夫さ」
また知らない声が聞こえた。


