アレンが服を脱ぎだした。
「ま、待ってアレン…。本当に?」
「それしかないだろ」
ギルク達はもう対岸に着く所だ。
こんな短い時間で行くのを見るところ、かなり頑張ったらしい。
「…そう、よね…。ごめんなさい」
自分が、泳げないから。
迷惑をかけてしまう…。
「何で謝んの?」
泣きそうなレイを見て首を傾けた為、アレンのさらさらの髪が揺れた。
「迷惑、かけちゃうから…。」
「…ま、しょーがないだろ。気にすんな。」
そう言って準備を終えたアレンはレイを背中に乗せた。
「わっ、きゃ…」
背中でレイが驚いて声をあげる中、アレンは河に飛び込んでいく。
「すごい……」
アレンはどんどん河を進む。
レイはただ彼の背中にしがみついていた。
が、あと半分というところで…。
「あっ!!」
レイが慌てた声をあげる。
「ん?どした、レイ…」
アレンがレイを振り返らずに訊いた。
一方レイは一点だけを見つめて身を乗り出す。
「ちょ、危ない…」
「ブレスレットが!!」
アレンの言葉を無視したレイの指が指すところ。
アレンは仕方なくその方向に顔を向ける。
すると、レイがいつもつけていたブレスレットが流れていくのが見えた。
どうやら彼女の腕からすり抜けてしまったらしい。
「あー…、どうする?」
「あれは、ダメなの!!」


