「レイの声だわッ!!」
イルがめちゃくちゃ青ざめながら慌てる。
アレンは横目でちらっと2人を見たあと、立ち上がって民家を睨んだ。
(早く終わらせたい…。)
そう思ったアレンは二人に向き直る。
しかし勢い余って頭痛がぐわんと襲ってきた。
「…俺が、すぐにカタつけてくる…。」
額を抑えながら言うアレン。
さすがにギルクは心配になったのか、
「お前、まさか二日酔いとかなってんじゃねえの?」
と、今更そんなことを言い出した。
―――遅えよ、馬鹿!!
心の中でツッコむ。
「うっさい!!」
アレンは超超超不機嫌にそう言うと、民家に向かって走って行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その頃レイは、やっぱりピンチだった。
(やばい。)
いきなりダリガンが襲ってきたのだ。
(縛られてるのに、やめて…!!)
「やめて!来ないで!!」
レイは必死に叫んだ。
ダリガンは目の前まで迫っている。
さっき殴られた頬が、ひりひり痛んだ。
「お前、俺を怒らせたな?覚悟しろよお…」
ダリガンはそう言うと怪しく笑った。
背筋がぞくっとする。
―――――助けて!!
目を瞑った。
すると……。
パリーーーーン!!


