レヴィオルストーリー


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

とりあえず屋根に登ったアレン達は驚いていた。

屋根のあちこちに、ばらまいてあるモノ。



……イルの、お菓子だ。



きっとレイがとっさに掴んで、何かに役立てようとしたのだ。


「あたしの、お菓子…。食べられなく、なっちゃって…。」

イルは悲しそうに言った後、首を振る。


「レイが道しるべを残してくれたんだわッ!!行こ、2人とも!!」

気合いを入れたイルは軽い足取りで屋根の上を走っていく。


その姿は元忍者なだけあって様になっていた。


「…………。」

アレンはぶすっとしたままそれについて行く。


瞬速とも呼べる速さで、屋根の上を渡っていった。


アレンもイルも物音一つたてない。


慣れないギルクは一生懸命2人について行った。







やがて三人は、一つの何の変哲もない民家についた。

イルは身をかがめ、耳をそばだてる。


「…男と、レイの声がする。」

「そっか、ここなんだな。」

ギルクがキッと真剣な顔つきになった。



一方、アレンはそれどころじゃなかった。


やばい。
速く走りすぎた…。
頭痛が…吐き気が………。


一人頭の中で嘆くアレン。


と、そのとき中から悲鳴が聞こえた。