「何よ!!」
イルが詰め寄ってくる。
アレンの胸倉をつかんだ。
「いたいけな美少女レイが助けを待ってるっていうのにッ!!アレンも、来なさいよッ!!」
そう言うと、ギルクの数倍激しくアレンの体を揺さぶった。
二日酔いのアレンにはこれは耐えられない。
「や、やめッ…。わかった、行く、から、揺さぶるなッ…」
アレンが頭痛と吐き気に顔をしかめながらそう言った瞬間。
イルの態度ががらりと変わった。
「本当!?レイ、きっと喜ぶわよッ!!さ、行こッ!!」
手をパッと離して笑顔で言う少女。
「え!?」
イルとギルクのにやにやした顔を見て、大ダメージを受けていたアレンはハッと気づいた。
―――――2人に、嵌められた……。


