「きっとこの『最も美しいもの』って、レイだったのよ!!てっきり、物かと思った!!」
イルはそのあとに、「でもあたしだって美しいのに…」と付け加えた。
「意味わかんないし…。レイはどこに連れてかれたんだ?」
冷たい水を飲みながら冷静に聞くアレン。
そんなアレンにギルクは噛みついた。
「んなのわかってたらとっくに追ってる!!超速いんだぜ、あの怪盗!!俊足アレン並だ!!」
噛みついたわりにはアレンを褒める内容が入っている。
「屋根に登っていったのはわかったんだけど…。」
さすが元忍者。
イルの言葉にアレンは少し感心した。
彼女は一応見ていたらしい。
「…じゃあ屋根、登れば」
「え?」
アレンの静かな言葉に二人は首を傾げた。
「屋根登ればって、言ったんだけど」
……しーん。


