「レイ!?どこ!?」
明かりがついた部屋に、レイはいなかった―――。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「アレン、起きろ!!起きろってば!!」
「酔いつぶれてる場合じゃないわよッ!!起きてよ、アレン!!」
―――――――うるさい……。
体を揺さぶられる。
その度に頭がガンガンした。
耐えられなくなり、目を開ける。
「…何」
不機嫌極まりない顔と声でそう言ったアレン。
目の前にはギルクとイルがあわてた様子でいた。
「大変だ、怪盗がレイを攫ってった!!」
ギルクが言った言葉を、アレンは理解できなかった。
「はぁ?」
「昨日ね、アレン達が酒屋行ってるときに、怪盗から犯行予告状が来たのよッ!!どーせイタズラだろうってレイが言うから、あんまり気にしてなかったんだけど…、見て、コレ」
イルは一枚の紙をアレンの鼻先に突き出した。
無言で受け取り、読む。
「…しょーもね」
「しょーもね、じゃねえええ!!実際、レイが攫われたんだぞおおおお」
ギルクはアレンを更に激しく揺さぶった。
「や、やめ…」
アレンは真っ青になって片手で口もとを押さえながら制止する。
(やばい、吐きそう…。頭痛いし、二日酔い…?)


