「…………………。」
沈黙。
そして……。
「…食べ物が食べ物持って歩いてる…。」
イルは呆然として信じられないというように呟いた。
が、すぐに……
「…お菓子返せやぁッ、生魚!!刺身にしたろかあぁぁッ!!」
走り出した。
魚はイルに驚き、ギョッとしてすっ転ぶ。
…ちなみに、ダジャレではない。
イルは魚に馬乗りになって、
「お菓子、返せ~~~ッ!!」
とか何とか喚きながら杖でポカスカ魚らしきモノを叩きはじめた。
「うるさい!!黙れクソ女!!」
「え?」
イルの動きがピタリと止まる。
…魚はしゃべった。