◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
イルの家の近くの空き地。
そこの真ん中にアレンとオージャスは立っていた。
「ルールは…どちらかに最初に攻撃をいれた方が勝ち、でどうだ?」
「いいですよ」
アレンがそう言うとオージャスは上着を脱ぎ、それを空き地の外から眺めるエジャスに投げた。
エジャスは無言で受けとる。
「アレン君はそんな上着を着ていていいのか?」
オージャスはアレンの黒い上着を指差した。
「どっちでもいいですけど」
「じゃ、脱げ!雰囲気が盛り上がる!」
アレンは一瞬「は?」という顔をしたが即座にそれを隠して、上着をレイに投げた。
「よし、よし。それじゃあ行くぞ!」
オージャスは手裏剣を取り出した。
一体どこから……?
という疑問は捨て、アレンも剣を構える。
「それじゃあ、よーい…どん!」
エジャスの小学校の運動会のかけっこのようなかけ声で、勝負は始まった。
それと同時にオージャスはアレンに向かって手裏剣を投げる。
アレンはそれを難なく剣で払い落とした。
「ほほう」
オージャスはそう言って感心すると、アレンの周りをグルグルまわりはじめた。
「は、はやい…。見えないわ」
レイは驚いてそう言う。
「ま、パパはトウキシティの忍者達のトップだから」
イルはさらりと言った。
「え?!」
アレンは忍者と戦うなどはじめてなはず。
そんな相手に勝てるのか…とレイは心配になった。
と、いきなりアレンは目を瞑った。
「?!」