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イルの家の近くの空き地。

そこの真ん中にアレンとオージャスは立っていた。


「ルールは…どちらかに最初に攻撃をいれた方が勝ち、でどうだ?」

「いいですよ」

アレンがそう言うとオージャスは上着を脱ぎ、それを空き地の外から眺めるエジャスに投げた。

エジャスは無言で受けとる。

「アレン君はそんな上着を着ていていいのか?」

オージャスはアレンの黒い上着を指差した。

「どっちでもいいですけど」

「じゃ、脱げ!雰囲気が盛り上がる!」


アレンは一瞬「は?」という顔をしたが即座にそれを隠して、上着をレイに投げた。

「よし、よし。それじゃあ行くぞ!」

オージャスは手裏剣を取り出した。


一体どこから……?

という疑問は捨て、アレンも剣を構える。


「それじゃあ、よーい…どん!」

エジャスの小学校の運動会のかけっこのようなかけ声で、勝負は始まった。


それと同時にオージャスはアレンに向かって手裏剣を投げる。

アレンはそれを難なく剣で払い落とした。

「ほほう」

オージャスはそう言って感心すると、アレンの周りをグルグルまわりはじめた。

「は、はやい…。見えないわ」

レイは驚いてそう言う。

「ま、パパはトウキシティの忍者達のトップだから」

イルはさらりと言った。

「え?!」

アレンは忍者と戦うなどはじめてなはず。

そんな相手に勝てるのか…とレイは心配になった。



と、いきなりアレンは目を瞑った。

「?!」