「あのね、あたしこれからアレン達とギルクと旅に出る」
イルが突然真顔になって言った。
「そしたら、強くなれる気がすりの。…いいでしょう?」
オージャスは黙ってイルを見つめた。
「…あの子達は強いのか?」
「も~っちろん!アレンとか最強よ、剣士なの!!レイは凄い精霊士だしッ♪」
イルがそう言うと……。
「そうか…。なら、アレン君、俺と勝負してくれないか」
「へ?」
アレンはすっとんきょうな声を出し、目を丸くした。
レイとギルクとイルも、驚いてオージャスを見つめる。
ウリナとエジャスだけはにこにこしていた。
「あの…?何で…。」
「可愛いイルを連れていくんだから、俺に勝てるくらい強くないと困る!!」
「俺じゃないの?」
ギルクは自分を指さし、少し拗ねた。
「ギルク君はイルが結婚するときに戦わせてもらうからな!」
その言葉でギルクの目が闘志に燃えた。
「はいっ!!!!」
「きゃー、ギルクかっこいい!!」
イルは手を叩いて喜んだ。
「どうするの、アレン?」
レイが心配そうに聞いた。
アレンはめんどくさそうな顔をして、
「…やるしかねぇんじゃねぇの」
と頭を掻きながら呟く。
「お、やるか!よし、早速外でやろう!」
首尾よくオージャスはアレンに言った。
「…アレン、一応気をつけてね?パパ、トウキシティ一の忍者なの」
イルの言葉にアレンは無言で頷いた。


