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それから二人は無言で再び眠りについた。

そして、朝……。

「はよ」

アレンはいつも通りだった。

爽やかな笑顔までレイに向ける。

「…おはよう、アレン」

レイも精一杯の笑顔で返事をした。

「朝ごはん食べたらすぐに出よう。雨が降りそうだから」

「ええ」

早速朝ごはんを食べ、準備をして小屋を出た。

スタスタと前を歩くアレンにレイは後ろからついていく。



しばらく歩くと、峡谷の橋が見えた。

あの橋を渡ったら峡谷を抜けれる。

「ん?」

アレンが急に止まった。

何かが見える。

赤い、短髪の……

「ギルク!!」

「お~、アレンにレイ!!」

ギルクの横にはイルがピッタリとくっついている。

心なしか、震えているような…。

「イル?どうしたの?」

レイはイルの様子を見て心配そうに聞いた。

「………………。」

イルは何も言わず、橋を見ながら首を横に振った。

「ああ、コイツ高所恐怖症でさ。橋がこわいっつ~んだよなぁ」

ギルクは困ったように言う。

「え?じゃあ箒とかで空飛ぶときどうしてるの?」

「箒はいいのッ、自分の魔法だから安心できるのッ」

イルは恐怖に満ちた目でギルクに抱きつく。

「箒、トウキシティに忘れてきてたからさ、行きもこんなんでさぁ…。それで一週間かかったんだよ」

そう言うとギルクは抱きつくイルをおぶった。