「…アレン、大丈夫?」
レイだった。
もう光は発していない。
アレンはレイに支えられながら、上半身を起こした。
ギルクとイルが来る。
「…逃がしちゃった…」
残念そうに言うイルがアレンの前に座る。
ギルクはアレンの横にしゃがんだ。
「情けないなぁお前!あんくらい退かせよ!」
「………。」
人質にとられてたのは誰だよ。
と思いながらもアレンは黙る。
背中の痛みがやばいくらい激しい。
「…お前もう一人でどっか行くなよ」
ギルクが呟いた。
そしてアレンをじっと見つめる。
「もうそんなこと考えないでね?」
イルも同じようにアレンを見た。
「…アレンは別に甘えても何してもいいんだから。誰も責めないわよ」
レイもそう言うとアレンを見る。
三人に見つめられて戸惑ったアレンは、目を伏せて少し考えた。
そしてしばらくして顔をあげると、
「ごめん…ありがとう」
と小さく呟き、笑った。
「あは、どぉいたしましてぇ」
イルが頬を緩めて可愛く言う。
「あと…」
「「「?」」」
アレンがまた何かを言おうとしているのを察して、三人は声を聞けるように黙り込んだ。
「……もう…無理…」
消え入るような声でそう呟いたアレンは、そのまま横のギルクにもたれかかって意識を失った。