「何でー!?そこは主人公なんだし『俺らが何とかしよう!』って格好よく言うところじゃない!!」
イルにダメ出しされたアレン。
「えー、めんどくさいし」
アレンはやっぱりめんどくさがった。
「やだやだやだやだ!!絶対入る!!」
イルはオアシスの周りに作られた柵をよじ登りだした。
「いけません、お客様!!」
監視人が慌てて言う。が…。
「ちょっとくらい、いいじゃないですか。ね?」
と、レイに上目遣いに言われて何も言わなくなった。
「しょーがねぇなあ、イルは…。」
慣れっこのギルクは仕方なく柵を飛び越えた。
「まじかよ…。」
アレンも三人を追いかける。
柵の向こうには、太陽に照らされてキラキラと青く輝く、大きなオアシスが待っていた。
「お、すげぇ」
レイの隣に着地しながら言うアレン。
「キラキラしてて素敵ね」
レイも言う。
「やべッ、超写真撮りてぇ」
ギルクはどこからかカメラを取り出した。
「水魔リップルうぅぅう!!どこだぁあぁぁッ!!」
イルだけが何の反応も示さなかった。
怒りが凄まじいようだ。
と、急にオアシスの真ん中がユラユラ揺れだした。
そして、ザバァッ!と何かが飛び出してきた。
「うッひょおぉぉー!!」
飛び出してきたのは水魔だった。
ギルクはリップルを見て目を丸くした。
監視人が言っていた通り、超綺麗で超美人。スタイル抜群、水でできた透けた体は太陽に照らされてキラキラ光っている。
「ギルク!!何よ、その叫び!!あたしがいるのにこんな見かけ倒しの水魔がいいの?!」
超ご機嫌ななめのイルは、ギルクを怒鳴り付ける。