「…だから、ビーンが襲ってきたの!それだけ!疲れてたの!」

真っ赤になったレイの叫びが辺りに響く。

「何回聞くのよ!もう3日も経ったでしょ!」

レイはプンプン怒ってそっぽを向いた。


「あ~んレイ、ごめんってばぁ~」

イルは慌てて謝る。


「なぁ~アレン、本当は何があったんだ?」

ギルクは3日前から毎日続ける質問をまたした。


「…いい加減殺すぞ」

「すいやせん。ふぉんっと、すいやせん。」


アレンは引っ張っていたギルクの頬を離した。



「いてぇ~…ヒリヒリする…」

ギルクは頬を涙目になりながら押さえる。

「次聞いたらそれじゃすまねぇからな」

「だって気になるじゃんよ~」

「レイが言った通りだから。」

シラッと答えたアレン。

「球体が来てアレンが飲み込まれて実はビーンの仕業でレイがビーンを倒したってやつ?」

「そう。」

こくり、とアレンは頷いた。

「そのあとは?」

「仲間の印が光って、球体を二人で壊した」

「そのあとは?」

「外に出て、………宿に帰った」

「今の間は何だ!」

すかさずギルクが噛みつく。


「うるせぇな!何でもないっつってるだろ!川に沈められてぇのかお前は!!」

「ふふ~ん、しばらく川はねぇよ!さっき通ったファース川からは村まで川はねぇ!」

「そんくらい知ってる」

剣を抜いたアレンは不気味に笑いながら言った。


「……………。」

ギルクは黙り込む。