「…《魔力剣》」
魔法を発動し、両手から剣にこめた。
剣全体が震え、剣の先と柄の赤い宝石が紫に変色する。
「《星》」
紫は占星術師の力の象徴。
そして占星術師の力は、『星の力』とも呼ばれている。
そこから業の名をとった。
剣は振動を止め、鎮まった。
「…俺の魔力って変なの」
剣を眺め、自分で言う。
本来魔力の種類は、一人二種類程度しか持てない。
それなのにアレンの魔力は、いくつもの種類の性質を持っていた。
偽物は魔法で攻撃してきた。
魔法を剣でなぎはらう。
通常なら無理なことだが、占星術師の力がこもった剣だからこそできる。
しかもその力のおかげで相手の行動が読めた。
「占星術師すげぇな」
フッと笑い呟くと、相手の後ろにまわった。
もちろんアレンの能力をコピーした偽物なので、アレンの速さにはついてくる。
だがそれも動きを読まれていては意味がなかった。
「俺の偽物、バイバイ」
アレンは剣で偽物を一閃した。


