「あの時は嬉しかったんだから。」

そのままアレンの頭を撫でる。


「……やめろ」

「い~じゃない、私、アレンのことずっと弟みたいに見てきたんだから。」

「…知らねぇし、俺とお前同い年だろ」

アレンはかなり不機嫌になった。


「…ユナルさんて本当に16歳?」


イルはレイに一応確認した。


「えぇ、その筈…。」


いつも四人の中で一番大人っぽいアレンが遊ばれてるのを見て、三人はただ呆然としていた。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「…………。」

「…アレン」

「…………………。」

「……アレンったら!!」

「何」

アレンは超不機嫌に低く短く答えた。


「リフォレの森、入るわよ」

「ん」

「…いい加減機嫌直せよぉ」


ギルクは口を尖らせて言う。


「…別に」

「いつになく無口ねぇ~」

イルがやんわりと言う。


「…しっかしこの森、広いなぁ」

話を流そうと、ギルクはわかりきったことを口に出した。

「…道さえ覚えてればどうってことない」


「あっ、増えたね」

「もう、いちいちいらないわよ」

さすがに鬱陶しくなってきたレイはそう言い除けた。



「…そういえばさ、あのイルのミサンガが光ったのは何だったんだ?」

それさえも無視したアレンは不意に思い出して聞いた。

「あ、アレンは寝てたのよね。」

「あれね、呪いだったの。仲間を強く想ったときに、願いを叶えてくれるって」