◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

レヴィオル国南端の街、カルアシティ。


国に四つ存在する《四大角塔》と呼ばれる灯台の一つ、『南の塔』がある国で三番目に大きい大都市だ。


その大都市のはずれの丘に、少年が一人朝日を見ながら立っていた。


綺麗な景色に感動しているようだ。


灰色のような黒色のような曖昧な色の長めの髪を風になびかせ、綺麗な碧の色をした瞳を細める。


赤いピアスをつけた綺麗な顔立ちが日に照らされた。
かなりのイケメンだ。

「…行きますか」


黒いジャケットの前を開き、中にグレーの服を着て、そのグレーの服の大きく開いた胸元には青色のタンクトップのような服が見える。

それと白いチェーンのついたベルトに茶色いズボンを合わせた服装をした美少年は歩き出した。


「…行ってきます」


一度だけ振り返り、丘の真逆の海の方にある灯台に向かって一言言う。


そしてそのまま踵を返すと、肩にかけた黒いリュックと腰に納めた剣を揺らしながら、目の前にある大きな森へ入って行った。