「…っしゃ、やるかぁ!!」
そう言うなり拳をガツンと合わせたギルクを見てレイが目を見開いた。
「ギルクやめて!アレンに怪我させないで!!」
「ギルクも怪我しちゃうわよぉっ」
女子二人の制止を聞いたギルクは一瞬振り返ると、
「大丈夫大丈夫っ」
とへらっと笑った。
────大丈夫じゃな~い!!!!
レイとイルは心の中でそう叫んだそうな。
その時アレンがギルクに突っ込んだ。
「…っと」
間一髪のところでそれをかわすと拳を叩き込んだ。
が、アレンもまたそれをかわすと下ろしたままだった剣を振り上げた。
「……ってぇえ!?」
剣が腕を掠めて、ギルクは大袈裟に叫ぶ。
「ギルク~っ!」
イルが真っ青になって叫んだ。
「イル、こっち来んな!!」
駆け寄ろうとするイルを見たギルクはいつものふざけた調子をかなぐり捨て、滅多に聞けない真剣な声を出した。
イルはその場でピタリと立ち止まる。
「でも、怪我…!!」
「大丈夫、掠めただけだから!集中できないだろ、話しかけるなよ!!」
そう叫んだ途端に高くジャンプして、突っ込んで来たアレンをかわし踵蹴りを落とす。
それはアレンの左腕に直撃した。
鈍い音が鳴る。
レイはハッと口元を手で覆った。


