「…もういい、寝る」


そう言うとさりげなくまた布団に潜り込む。


――――――が、取り上げられた。


「アレン、駄目よ。もう起きて。」

優しく諭すのはレイだ。


「…眠い」

ねぐせで少しくしゅっとした髪をがしがしと掻き、ベッドの上に胡坐をかいたアレンは布団を取り返そうとした。


しかし……、


「アレン!!もう起きなさいッ」


そうレイが怒って目を三角にした。


……正直めちゃ怖い。



「………ハイ」

アレンはおとなしく起きることにした。


「ん?素直だなぁ」

ギルクはアレンを見て言う。

「あたしがどんだけ言っても起きなかったのにぃ。」

「お前は迫力ねえんだよ。」

イルの頭を撫でながらギルクは微笑んで言った。

「レイ、怖いもんね。」

イルは納得する。



「さ、あんまり長居してたらリディンさんに迷惑かかるわ。今日、ここは出ましょう。」

「…ん。」


レイに促され、渋々アレンはベッドから降りた。


くしゅっとした髪が、いつものさらさらのストレートの髪と違う感じがして。


レイはついドキッとしてしまう。