「…メディンさんに?」

メディンは、アレンがモスフィックタウンに初めて行ったときに勇者の墓場で会ったおじいさんだ。

あの優しい笑顔を思い出した。


「そうじゃ。私の名はリディン=ローリー。

ここまで言えばわかるじゃろう?」

リディンはメディンと同じように優しく微笑んだ。



「…兄妹…」

答えを出したアレンは囁くように言う。

老人はアレンを見て目を細めると頷いた。


「正解じゃ。私はメディンの妹。メディンはこの地の出身なのじゃよ。」


そう言うと歩き出すリディン。

四人は後ろに並んでついて行く。


「アレン、リディンさんのお兄さんに会ったことあるの?」

歩きながら、レイはアレンに聞いた。


「…うん、勇者の側近してたって言ってた。リディンさんと笑顔が似てる」

アレンは無表情に答える。



「ほれ、座りなされ」

奥にあったリビングらしき大きな部屋のこれまた大きなソファーを指さし、自分は一人用のものに座ったリディンがそう言って微笑んだ。