「あ、あの…。あっ!

た、確かあと一つって最北端のノスラムシティのはずれにあったわよね!」


いつになく慌てるレイを不思議に思いながらもアレンは首を縦に振った。


「…………。」




沈黙。




(やだ、急に緊張してきちゃった。)


レイは若干赤くなった頬を冷まそうと両手で自分の頬を覆った。


「ねえ、レイ。」

そこに救世主、イルが来る。


「ここって、何か不思議な力とかあるのぉ?」

「ふえ?」


急に聞かれて、緊張していたレイは裏返った声を出してしまった。


「…?どしたのぉ?」

「な、なんでもないわ。でも、何でわかったの?」

「やっぱり、そうなんだぁ!

なんかね、ここにいると魔力が湧き上がってくる感じがするの!」


イルは身振り手振りでその様子を説明する。


「なんかね、体の底から力が湧き出る感じ!すっごく、強くなれた気分になるの!」


うれしそうに話すイルを見て、ギルクとレイは微笑んだ。


「そうよ、ここにはいろんな種類の魔力を強くする不思議な力があるの。」