冬晴れの空

薄く霞む空の色
山の緑も街もくすんで見える

こんなに霞んだ空も
こんなにくすんだ景色も

ただ冬のせいではない気がする


高台から見える稜線を撫で白く連なる雲

ふと 人恋しくなった



電話番号を知っているのに
話そうと思えば いつでも声を聞けるのに

元日の0時キッカリにしか電話はかけない



決まりごとみたいに



けれど……
電話越しのあの声を
忘れることはない




ただ風に吹かれて見上げる空

寂しいほどの静けさと疲れ



規則正しく並んだ雲の配列が
きみからのメールに似ている

ふと そう感じた





会えたらいいね


叶うあてのない約束を思いながら

我を忘れ 再び空を見上げた